「いまは、それぞれの道で」

2020年。世界中がコロナ禍という大きな嵐に見舞われてから半年以上が経ちました。日本のランナーにとっても、つらい日々が続いています。

今年2月の東京マラソンに一般ランナーが参加できなくなってしまったことに始まり、各地で予定されていた大会が続々と中止・延期に追い込まれることになりました。

春先には外出自粛要請から、走ることすらままならず…

ランナーにとって、当たり前にあった日常が突然失われた一年でした。

最近になってようやく小規模な練習会や大会が再開されるようになり、走ることができる場所が戻りつつあります。

春先から孤独に黙々と走り込んできたランナーにとっては、こんなに嬉しいことはないですよね。

そしていよいよ大規模なマラソン大会再開の報せも届き始め、湘南国際マラソンや名古屋ウィメンズマラソンが、一般ランナーのエントリー受付を開始しました。

湘南国際マラソンのエントリー開始日には、先着によるエントリー関門を突破した方々の「やるぞ!」という喜びの声をSNS上などでもたくさん目にすることができました。

しかし『大会復活の2021年に向けて』という気運が高まってきたこのタイミングで、ランナーが思わずどよめくニュースが飛び込んできます。

湘南国際マラソンが大会走行距離をフルマラソンから最長で25kmに変更すると発表したのです。

(11月13日発表。新型コロナウイルスの感染状況を鑑みて、12月10日に大会の開催可否が発表される予定)

この発表には、あちこちから様々な声が聞かれました。

フルマラソンといえば、ランナーみんなが憧れ、目標に掲げるもの。

雨の日も風の日も雪の日も、あのハレの日を夢見て、今日も走り出すモチベーションの源のような存在です。

そんなランナーにとってこれがいかに悲しいニュースであったかは容易に想像できます。

また、大会の主催者にとっても、苦渋の決断だったのでしょう。

湘南国際マラソンの11月13日の公式発表には、こう書かれていました。

『「湘南でフルマラソンを!」と、心待ちにされていた参加者の皆さまには大変残念な結果となりましたが、事務局では引き続き、感染対策、大会運営、大会企画など全面において対策の手を緩めることなく、全力で大会準備にあたってまいります。』(大会公式ホームページより引用)

大会に向かって日々走り続けるランナーにまるで併走するかのように、大会主催者もまた、ランナーが集えるハレの日を夢見て、全力を尽くされていると思うと、頭が下がる思いです。

春先の「外出自粛を」と叫ばれていた頃から考えると、たとえ距離が短くなってしまっても、やむを得ず中止になってしまったとしても、大会開催に向けて模索してくれる人たちがいることそのものが、レース復活への大きな一歩に感じます。

まだまだ予断を許さない毎日が続いていますが、この戦いが、長いトンネルから抜ける日も必ず訪れるでしょう。

みんなで集まって、あの華やかなスタートラインに立てるその日まで、いまはそれぞれの道で走り続けてみませんか。